どのような方でも一度は耳にしたことがある言葉として、友禅があります。高級品というイメージを持たれがちですが、一体どのような着物のことを指すのでしょうか。
今回は、友禅とはどのような着物か、名前の意味や特徴などを詳しく見ていきます。更に日本三大友禅と呼ばれる友禅の種類やそれぞれの特徴について、また有名作家の友禅の着物の買取や査定額についても合わせてご紹介していきます。
友禅について詳しく知りたい方は、最後までご覧ください。
友禅とは？「友禅染め」の略称のこと
友禅とは、「友禅染め」という着物の染色方法が省略されたものです。元々友禅染めは元禄時代から始まり、考案者である扇絵師の宮崎友禅斎からその名が付けられました。宮崎友禅斎が元々扇に描いた細かい図柄を着物に染色で表現するには、乗り越えねばならない壁がありました。
布に染色をする際に異なる色を隣同士に並べる場合、単に染めてしまっては色がにじみ、混ざってしまいます。それを防ぐために使われたのが、米のデンプンから作られた米糊です。米糊を異なる色の間に置くことで、色同士がにじまないようにしたのです。本来は、米から取れるデンプン質の防染剤を使用して、隣り合う色同士が混ざらないようにする手法を友禅と呼んでいました。
最近では、米糊の代わりにゴム糊が使われることもあります。特に友禅によく見られる柄としては、動物、植物、自然の風景で、こうした柄をプリントした着物も友禅と呼ばれることがありますが、染色をした友禅より抑えられた価格になります。
友禅には手描きで染色する手描友禅と、型紙を用いて染色を行う型友禅とがあります。特に手描友禅は、一枚の着物を仕上げるまでに非常に時間がかかります。手間と時間をかけ、作家や職人が技術を駆使して作る着物なので、かなりの高値で販売されているのです。
日本の三大友禅について
日本の三大友禅と呼ばれているのは、京友禅、加賀友禅、東京友禅です。地名が付いていることからも分かる通り、それぞれの地域ごとに独自に発展し高い評価を得てきた友禅です。それぞれの特徴についてご説明します。
京友禅ですが、これは京都を中心に発展したものです。京友禅は、京都の公家文化の中で発展しました。そのため絢爛豪華な柄が多いのが特徴です。鮮やかな色彩と刺繍、金箔などを用いた装飾が施され、きらびやかなイメージです。描かれているのは図案化された模様が多く、三大友禅の中で一番古い歴史があると言われています。
加賀友禅は現在の石川県金沢市で発展しました。武家が中心となり文化が発展していく中で、加賀五彩と呼ばれる独特な色味を用いた染色が盛んになりました。加賀友禅では写実的な絵柄が描かれることが多く、葉の虫食いまでも描くことで有名です。ぼかしにも特徴があり、模様の先を濃く、中心を淡くするため先ぼかしと呼ばれています。
東京友禅は江戸友禅とも呼ばれ、江戸の町人文化を反映して発展しました。色味は他の友禅と比較しても渋めで落ち着いており、絵柄も千鳥や釣り船など、江戸の風景が題材となったものが数多くあります。渋さとモダンな雰囲気が融合した、江戸の粋が表現された友禅と言えます。
有名な作家の友禅なら高額買取のチャンス！
手描友禅はそれだけでも中古市場において高額買取が期待できますが、それが有名作家のものであればなおさらです。有名な作家の中には現在も精力的に活動している方もいますが、既に逝去している方も多くいます。特に人間国宝に指定された作家で、既に逝去している、引退している場合には、プレミアが付くこともあるため値段も上がります。人間国宝の有名作家としては、加賀友禅作家の木村雨山、京友禅の森口邦彦、京友禅と加賀友禅を融合させたことで有名な羽田登喜男などがいます。
着物に詳しい人であれば、絵柄や色遣いを見てどの作家のものか分かることもあります。しかし、その場合でも、本当に有名作家のものか判断するポイントの1つになるのが落款と証紙です。落款や証紙は、どちらもブランドの証明書のような役割を果たしています。
もしご自宅に眠っている友禅に落款や証紙がある場合には、査定の際に着物と一緒にして、有名な作家の友禅であることが証明できれば、高額買取のチャンスがあります。
友禅そのものの保存状態によっても査定額に差が出るため一概には言えませんが、数十万円という査定結果が出たケースもあります。
ご自宅の着物を売る際には、落款と証紙の有無を確認ください。ただし、証紙がなくとも査定する方の知識や経験で有名作家の着物か見極める事ができます。それでも証紙がある場合より買取査定額が下がってしまうという傾向があります。
ザ・ゴールドでも着物の知識を持つ査定士が、全国約80店舗に在籍しておりますので、有名作家だけど証紙が無いという方も、ご相談ください。
まとめ
友禅は、使われている技術の高さや、一枚を仕上げるまでに時間がかかるため、高値で取引される着物です。有名作家の手によるものは、落款や証紙があれば高額買取のチャンスがあります。ご自宅の箪笥で眠っている友禅を、ぜひ一度査定に出してみてはいかがでしょうか。思いがけない高額な査定結果が出るかもしれません。
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