着物のコラム

振袖の買取相場はいくら?売却方法や高く売るコツを徹底解説

目次
振袖とはどんな着物? 3種の振袖と由来をご紹介
袖の長さの違いによって着用シーンが違う?3種の振袖それぞれの主な着用シーンとは?
振袖で人気の色や柄はあるの?気になる振袖選びのポイントは?
振袖の正しいたたみ方や保存方法とは
まとめ

振袖とはどんな着物? 3種の振袖と由来をご紹介

振袖と言えば、未婚女性の第一礼装。気品高く、結婚式、成人式などの式典に着用される晴れ着です。未婚女性でも訪問着や色留袖を着用できますが、晴れ着の中でも振袖は一層格が高い着物となります。

振袖は、長い袖を振ることに由来しています。江戸時代には男性からのアプローチに対して、袖を左右に振ることで「YES」、縦に振ることで「NO」を表現しており、恋愛の「振る・振られる」という言葉の由来もここからきていると言われています。

それでは、振袖とはどのような着物なのか、解説していきます。
柄が絵羽になっているところは、他の晴れ着である訪問着や留袖と同様ですが、違いは袖の長さです。中でも成人式の振袖は主に中振袖で、それよりも袖が長いものを大振袖、短いものを小振袖と呼びます。

※絵羽とは、着物を一枚のキャンバスのように使い、柄を表現したもの。脇の縫い目にまたがって絵柄が続いている豪華なものを言います。

袖の長さの違いによって着用シーンが違う?3種の振袖それぞれの主な着用シーンとは?

3種類の振袖「大振袖」、「中振袖」、「小振袖」の特徴やふさわしい着用シーンをご紹介いたします。

中振袖

一般的な中振袖の袖の長さは、約2尺9寸(=110㎝程)。着用した時に、袖が膝下からくるぶしのあたりまでになります。 中振袖の着用シーンは、成人式、卒業式、年始をはじめとするおめでたい席、結婚式に招待された時などがあります。

大振袖

中振袖よりも、さらに袖が長い振袖が大振袖です。大振袖は、ご本人が主役となる結婚式、つまり婚礼衣装として花嫁が着用する振袖とされています。

小振袖

小振袖は、中振袖より袖が短く、袴と合わせて、短大や大学などの卒業式に着用されることが多いです。

以上のことから、振袖の一般解釈は『中振袖』を指すと言えます。

振袖で人気の色や柄はあるの?気になる振袖選びのポイントは?

晴れの日の特別な装いである振袖選び。ご本人はもちろん、ご家族にとっても生涯の思い出となるだけに、振袖選びは大切であると同時に失敗したくないものですね。

さて、様々な色や柄がある中で、どの振袖を選んだら良いのか? 最も気になる点だと思いますので、ここからは振袖選びのポイントについて

  1. 入手経路について
  2. 色の選び方について
  3. 柄の選び方について

の3点をピックアップして、お伝えします。

振袖選びのポイント1 入手経路について

振袖を選ぶ際に最初に気になるのは予算です。価格は個々に異なるため、一概にいくらとは言えませんが、呉服店での購入の場合には50万程度、レンタルの場合にも20万程度は必要と考えておきましょう。

その上で、成人式が終わった後にどれくらいの頻度で振袖を着る機会があるかを考えると購入かレンタルかを選びやすいです。

購入がおすすめのケース

振袖を購入した場合、その振袖を成人式以外にも親族・友人の結婚式、お正月などにお召しになる機会は何度かあります。また、もっと先の話となると、ご結婚後、女の子が生まれた場合には、そのお子さまに引き継ぐということもできます。

また、姉妹の場合には最初から二人で一着、三人で一着を共有する前提で選ばれることもあり、その場合は家族ぐるみで振袖選びを楽しむことができます。

家族・親族が着物を着ることが多いご家庭や、ご本人さまが着物に興味がある場合には、レンタルよりも購入を選んだ方が何倍も有効活用できます。レンタルコストや毎回の手間を考えても、良い選択肢と言えるでしょう。

また、購入される場合にも、新しい着物を誂(あつら)える場合もあれば、中古(リユース)を探すという方法もあります。中古でも、新品と遜色ない美品や新古品もありますので、選択肢のひとつに加えてみてはいかがでしょうか?

レンタルがおすすめのケース

成人式を迎えられるご本人さまのお好みにもよりますが、親族・友人の結婚式やお祝いの席でドレスなどの洋装を好まれる場合には、保管・維持の手間がないレンタルがおすすめです。

参考:ママ振りについて
数年前に『ママ振り』という言葉が登場しました。『ママ振り』とは、ママの振袖のことで、お母さまが成人式で着用した振袖を娘さんが再利用することです。思い出が詰まった振袖を娘の世代にまで受け継ぐことができるのは、着物の良さです。ただし、お母さまがお召しになった振袖を帯・小物など、すべてそのまま使えるというケースはほとんどありませんので、この場合も早めに準備をする必要があります。

振袖選びのポイント2 色の選び方について

次に、振袖の色についてです。着物は洋服に比べると肩~足元まで全身を覆う衣装ですので、色の印象を強く受けます。さらに振袖は、他の着物に比べても、袖の分だけ着物の色が多くなりますので、色選びは重要なポイントです。

振袖の定番カラーは昔から、赤・ピンク・白で、部分的に黒を使っているものが多いです。色の印象を一言で表すと、赤は華やか・若々しさ、ピンクは優しさ・女性らしさ、白は清楚・可憐、黒は高級感・重厚感を感じさせる色です。

これらの定番カラーは長い期間に渡って着用できる色のため、帯や小物を変えるだけで印象がガラリと変わりますし、飽きにくい、様々なシーンに対応できるというメリットがあります。

逆に個性的な色の場合には、他の人と被りにくいメリットがあります。個性を大切にされる方の場合には、人と被らないという点は重要なポイントですね。一方、個性的な色は年齢を重ねるうちに好みが変わってしまう可能性が高いこと、姉妹などで共有しようとした時に好みが一致しにくい点も考慮しておきましょう。

また、非常に深い色や渋い色の振袖を選び、少し年齢を重ねてからご自身の成人式の振袖に関して「渋い色はいつでも着られるからもう少し20歳らしい色にしておけば良かった。」という声も聞きます。
渋い色の着物は華やかで、派手な色合いの着物を着る機会は、年齢を重ねるとともに、どんどん減るため
成人式のような晴れ舞台では、思い切って派手な着物を選ぶことも良いでしょう。
先に成人式を経験されたお嬢様の声もご参考ください。

振袖選びのポイント3 柄の選び方について

振袖は特別な日に着用する晴れ着なので、描かれている柄は吉祥文様やおめでたい動植物です。それぞれの柄に関しては好みの柄を選ぶと良いです。選んだ後にその柄が持つ意味を併せて調べてみると、よりお気に入りの一着として生涯大切にできるでしょう。振袖の代表的な柄を一部ご紹介いたします。

花車・御所車...御所車は平安貴族の乗り物です。貴族の乗り物ということから高貴さ、雅さを象徴し、御所車と花を組み合わせた花車はさらに華やかさが加わります。

檜扇(ひおうぎ)...扇が開く形から末広がりを意味し、発展・繁栄の意味があります。

熨斗(のし)・束ね熨斗...貴重な海産物である鮑(あわび)を干し、平たく加工して、贈答品に添えたことから縁起物とされ、それをまとめた束ね熨斗はめでたいことの重なり、多くの祝福の意味があります。<

牡丹(ぼたん)...花輪が大きく存在感がある牡丹は着物の意匠としてよく用いられます。花の持つ豪華さから、富貴・高貴の意味があります。

藤の花...藤の花は下向きに伸びて花を咲かせることから、高貴な花とされ、「ふじ」は「不死」を連想させることから子孫繁栄の意味もあります。

松竹梅...松は常緑の針葉樹であることから強さ・生命力、竹は天に向かって真っすぐ伸びる様子から成長や潔さ、梅は寒い季節に綺麗な花を付けることから(特に女性の)忍耐力を表します。どの植物も厳しい環境下でしっかりと生命を全うしているため、忍耐、生命力の象徴です。

鳳凰...伝説の鳥であり、鳳凰があらわれると世が太平となることから、平和・幸福を意味します。

孔雀...羽の美しさ、豪華さもさることながら、毒蛇をも食べる生命力の強さから、子孫繁栄や厄除けの意味があります。

...鶴は千年亀は万年と言われることから長寿の意味が込められています。

さて、振袖に使われる代表的な柄をご紹介させていただきましたが、柄の他に、着物全体の柄の配置面積も大切なポイントです。

着物全体を見た場合に柄が全体的に入っていればより豪華な印象に、一方、ポイントで入っている場合にはクールですっきりな着こなしになります。

そのため、華奢なお嬢様は柄の面積が大きいもの、柄が全体的に入っているものを選び、ふくよかなお嬢様は柄がすっきりとしたものをお選びになるとよりいっそう振袖を綺麗に着こなせます。

振袖の正しいたたみ方や保存方法とは

さて、ここまで振袖の種類や色柄についてみてきましたが、ご自宅で保存される場合にはどのように保管すれば良いのでしょうか?まずは気になるたたみ方から見ていきましょう。

一般的な着物のたたみ方と同じ『本たたみ』と、留袖などに使われる『夜着たたみ』の2種類ありますので、お手持ちの振袖に適している方を選びましょう。

『本たたみ』と『夜着たたみ』の違い

本たたみは一般的な着物の収納に使われる畳み方です。振袖を『本たたみ』にする良い点は、他の着物のたたみ方と同じ手順で簡単にたためる点です。

着付け教室やレンタルショップなどでもこのたたみ方を多く紹介しています。

対して『夜着たたみ』とは、裾周りの繊細な絵付けや刺繍、箔を痛めないたたみ方です。振袖、留袖、訪問着などは裾の絵付けが絵羽模様(おくみや脇線をはさんでつながっている)になっています。絵羽になっている表の生地どうしが密着することがないので箔や刺繍が施された衣装に非常に適しています。

さらに保管の際には箔の部分に和紙を挟むというひと手間を加えるとより安心できるでしょう。
高級呉服店、デパートなどでは昔から振袖の納品時には夜着たたみをするところが多かったようです。

振袖の適した収納方法、収納場所

次に、収納で気を付けたいポイントと、収納場所についてご紹介します。振袖に限らず、次に着用するまでの期間が長いものは洗いに出した後に収納することをおすすめします。

一見汚れているように見えなくても、衿周りや袖周りに見えない汗や汚れが付着して、「久しぶりに出してみたら以前は見えなかった汚れが目立っていた…。」という話をよく聞きます。また、汚れは時間が経過する程落ちにくくなるものです。

振袖には大切な思い出も含まれていることでしょう。正絹の晴れ着は、丁寧に収納・保管すれば次の世代や更に次の世代にも受け継いでいけるものなので、見えない汚れにはいつも以上に気を遣った方が良いですね。正絹の振袖は専門店のクリーニングに出すと良いでしょう。

次に、収納場所ですが、昔の人が行っていたように桐たんすが最適でしょう。桐のたんすは吸湿性が高く、湿度によって膨張、収縮します。箪笥の外側の湿気が多い場合には衣類を守ってくれます。この効果によって大切な着物をカビから予防してくれるのです。他にも、天然の桐の香りは着物につく虫を寄せ付けない効果があると言われています。

もし、桐たんすがない場合でも木製の箪笥に防虫剤を入れて収納しておくと安心できます。時々状態を確認するとさらに良いでしょう。

また、絹の着物・綿の着物・麻の着物・ウールの着物…と素材別に保存しておくことで、虫食いのトラブルを防ぐことができます。引き出しの段を種類毎に分けておくだけでも、分けない場合と比べると、かなり効果があります。

また、箪笥に収納する前に着物をたとう紙に入れるかどうかも気になるところですね。たとう紙の役割は、着物を湿気から守る。たたんだ着物の形を保つ、埃や日光から守る役割があります。

従来の和紙で作られたたとう紙ではこの3つの役割を存分に発揮してくれますが、表面がつるつるした洋紙で作られたものや、中が見えやすいように窓枠が付いているたとう紙には、糊が使われていることが多く、その糊を餌に虫がついてしまうことがあるので注意しましょう。

また、たとう紙は永久保存できる入れ物ではありません。できれば、1~2年で新しいたとう紙に替えることをおすすめします。新しいたとう紙に取り替えるタイミングで、着物を虫干しすると、さらに良い保存ができます。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

気品高く、結婚式、成人式などの式典に着用される晴れ着である「振袖」。
この未婚女性の第一礼装「振袖」について、今回のコラムでは、振袖の種類・特徴、柄の選び方、入手の方法、保存方法等についてまとめてみました。

振袖選びをご家族の大切な時間にしていただき、振袖をお召しになる女性が幸せな晴れの日を迎えられるよう役立てていただければ幸いです。
また、振袖を成人式だけでなく、より多くの機会で着用できるよう、保管・管理を行っていただければと思います。
振袖に袖を通す日が晴れやかな日になるよう、心よりお祈りしております。

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