着物のコラム

着物の引き取りで損しない!賢い処分方法をご紹介!

目次
着物の整理・処分のタイミングはいつ?
着物の整理は再利用・譲渡・処分・売却・寄贈の5種類
着物を整理・処分でよくある疑問やご質問
着物の価値を維持するコツはある?
まとめ

着物の整理・処分のタイミングはいつ?

着物の整理・処分を考えるタイミングはどんな時でしょうか?
例えば、故人の遺品整理、引っ越し、健康状態の変化(高齢や病気になり着物を着られなくなった等)、 ライフスタイルの変化(茶道や華道などの習い事を辞められた等)など、様々な人生の大きな節目のシーンが予測されます。また、着物は衣類としての価値だけでなく、思い出がたくさん詰まったものであることも多いため、手放すことは心情的にも勇気が必要なことです。
以前、亡くなられたお母さまの遺品整理として着物を売却された方が「10円にでもなればいいやと思って全部売った。」という話を耳にしたことがありますが、その方は処分の方法について本当に心から満足しているのでしょうか?感覚的な話ですが、言葉尻からはそのようには聞こえませんでした。


このように、着物の整理には単に"物としての価値"だけではなく、"気持ち"の面も非常に大切です。あなたが今後着物を整理する際、不満や後悔、諦めという気持ちではなく、前向きな気持ちで整理したいですよね。こちらのコラムでは、具体的な着物の整理・処分方法について、処分した後に後悔しない心情的な面も併せて詳しくご紹介していきます。

着物の整理は再利用・譲渡・処分・売却・寄贈の5種類

それでは、具体的に着物の整理の方法をみていきましょう。着物の整理・処分方法は下記の5種類の方法が考えられます。

1. 譲渡

2. 売却

3. 再利用

4. 処分

5. 寄付

1.着物の譲渡

周囲の方で着物を着られる方や着物に興味のある方がいらっしゃる場合には、譲渡という方法があります。少し時代を遡ると、着物の世界では、親戚同士での貸し借りや譲渡というのは珍しいことではありませんでした。譲渡には、有償の場合と無償の場合があります。お互いの認識を確認して、双方が納得のいく方を選ぶのが良いでしょう。
周囲に着物好きな方が多数いる場合は、「有償の譲渡会」を開く方もいます。しかし、そこまで周囲に着物に興味を持っている方がいない場合には、個人的なやり取りになるでしょう。大切な着物を譲る際は、顔見知りの人や、「この着物を引き継いでほしい」と思う人にお渡しするのがおすすめです。

2.着物の売却

着物の整理として一番に思い浮かぶのは、「売却」ではないでしょうか?「売却」と一口に言っても、それぞれの状況に応じて売却方法も異なります。

フリマアプリやオークションで売却する

着物の知識がある場合は、フリマアプリやネットオークション等を活用し、個人取引をすることができます。この場合のメリットは、自分で値付け出来る事です。つまり、売りたい値段を提示することが可能です。ただし、売却できるかは不明瞭で、場合によっては値下げを要求してくる方もいます。
また、着物や帯、小物一式をセットで組み合わせて出品したり、単品で出品したり、帯締めだけを何本かあわせて出品したりと、出品形式も自分で選ぶことが出来ます。その代わり、出品する物の説明文を考える、写真を撮影する、梱包や発送など全て個人で行う必要がありますので、時間と労力がかかります。

着物買取店で売却する

着物の知識がない場合や、整理する点数が多い場合は、着物買取店を活用するのがお勧めです。着物買取店を活用した場合のメリットは、プロの目で鑑定してもらえるため、着物の正しい価値が分かります。その中でも出張買取サービスを行っている場合は、自宅にいながら査定士に買取してもらえるため、最も労力が少なく、家中を楽々整理することが可能です。
また、着物買取店の中には、着用に難があるような値段がつかない着物の引き取りサービスを行っているところもあります。値が付く着物だけではなく、全てを整理したい場合には、最もスピーディーに整理を行えるため、最もお勧めの方法です。
参考:ザ・ゴールドの着物の寄付・リユース活動について


3.着物の再利用

着物を衣類として着用するのではなく、一枚の布として、バッグや小物に変えるなど、再利用する方法があります。着物一着を作るのに約12mの布が使われているので、新しく縫い合わせて別の形で生まれ変わらせることが出来ます。"着物"という形では箪笥にしまっておくだけだったものが、日常生活に活用できる和小物やカバーなどに作り変えることで、今まで以上に目にする機会が増えるのが嬉しい点です。

4.着物の処分

しばらくお手入れしておらず、カビが生えている、シミがひどい等、着用するにはかなり難がある着物は、処分という方法になるでしょう。市区町村の分別に従って可燃ゴミ、資源ゴミ、古布など出し方も異なりますので、地域の分別に従いましょう。または、不用品回収という形で、他のものと一緒に引き取ってもらうのも一つの方法です。

5.着物の寄付

NPO法人などの団体で、着物の寄付を受け付けているところがあります。団体によって異なりますが、寄付した着物は、仕分けをした後に必要な方へ渡ったり、布や材料として創作活動に使われたりと様々です。寄付とはいえ、送料等かかる場合がありますので、何かしらの形で社会貢献したいという方にお勧めの方法です。

参考:ザ・ゴールドの着物の寄付・リユース活動について

着物の整理・処分でよくある疑問やご質問

着物の整理・処分について、よくある疑問やご質問をいくつかご紹介します。

Q1.今は着ないけど、将来着るかもしれない着物を残しておきたい・・

ご家族の着物を整理する際に、「今着物を着る習慣はないけど、将来的に着物を着るかもしれない。」と思われる方もいると思います。全て整理した後に、数年後、数十年後に「あの時手放さなければ良かった…」とならない為に、残しておきたい着物を数点絞っておきましょう。
着る機会が来るまで保管場所が必要になりますので、帯は、着物に対して2~3倍の本数を残しておくのがお勧めです。帯を変えるだけで着物の印象は変わるため、着物よりも帯を多く残しておくと幅広いコーディネートが出来るでしょう。

Q2.着物の売却を検討しているが、安値で買取りされないか心配・・

ご家族の着物の整理・処分をされる場合、ご自身では着物の価値が分からないことがほとんどです。結論から言うと、着物や帯に関する正しい価値は、着物に精通した査定士でないと分かりません。街のリサイクルショップやネットでの出品の場合には、たとえ価値があるものでも安く買取られてしまう可能性があります。その点、着物買取店は、着物の価値を正しく判断し、適正価格を提示します。また、慎重に売りたい方は、いくつかの買取店に見積り依頼をして比較検討するのがお勧めです。

Q3.買取店に依頼した場合、値段に納得できなければ断れる?

買取店に査定依頼した際、買取りをするかどうかの判断は、ご依頼主次第です。もし査定士の対応や買取価格に満足できなかった場合は、その場できっぱり断ることが大切です。もし断るのが苦手な場合は、家族や知人に、査定当日に立ち合ってもらいましょう。買取価格を聞いた上で、一度検討したい場合は、予め「今日は査定のみ」と伝えておくのも良いでしょう。また、クーリングオフ制度が取り入れている買取業者を選ぶことで、より安心して買取を行うことができるためお勧めです。
※クーリングオフ制度とは、契約後でも一定期間内であれば契約を解除できる制度です。

Q4.着物や帯以外の小物やバッグ、草履なども買取可能?

着物や帯以外にも、帯留めや帯締め、帯揚げ、草履やバッグなど、和装に必要な小物がいくつかあります。和装小物でも、帯留めや象牙、珊瑚、べっ甲など、物によっては高い価値が付くケースもあります。帯揚げや帯締め、草履などは未使用であれば値段が付く可能性もありますので、これらの和装小物をお持ちの場合は、着物や帯と一緒に査定依頼をするのがお勧めです。

着物の価値を維持するコツはある?

あなたが着物を手放した後も、その着物は様々な経路で新しい持ち主の元へ渡ります。譲渡する、買取査定を依頼する、寄付する等、どの処分方法でも、着物や帯は極力良い状態にしておきたいですよね。これから紹介する方法は、新しい着物の持ち主にとって「良い、便利、嬉しい」と感じることに繋がります。あなたが新しい持ち主になったつもりで考えると自ずと答えは出てきますが、たとえ、あなたが着物を着なかったとしても、大切に扱っていることが分かればその価値を上げることに繋がります。簡単に出来る方法からお伝えしますので、出来る範囲で取り組んでみましょう。

日光や蛍光灯が当たる場所に置きっぱなしにしない

絹は光に弱く、長時間箪笥の外に出しておくと蛍光灯でも色ヤケを起こします。着物は全体的に同じ色が配されている衣類ですので、一部にヤケがあると想像以上に目立ってしまいます。保管方法は人それぞれですが、透明の衣装ケースなどに保管されているものなどがあれば、桐などの箪笥に入れ、日光や蛍光灯の光から守るようにしましょう。せっかく価値がある着物でも、ヤケがあっては着用をためらう程のものも出てきます。日光や蛍光灯から遮ることは比較的簡単に出来ることです。
着物、帯、長襦袢、反物状態のものなど、着物に限らず全てに共通する保管方法となりますので、着物の価値を保ちたい場合には心がけましょう。

振袖などの特別な衣装は一式セットにしておく

結婚式の花嫁衣裳、成人式の振袖、宮参りなどの衣装は、帯や長襦袢、小物、草履まで全てがセットになっているものが多いでしょう。この場合、次に着用する方も同じ目的で着用されると考え、セットの品は全てまとめて保管しておきましょう。
例えば長襦袢はどれも同じと思われがちですが、長襦袢の上に着用する着物に合わせて仕立ててある場合もあります。特に、花嫁衣裳を含めた振袖の場合には、身長によって袖の長さが異なることがあります。ですので、振袖用の長襦袢がある場合には特にその振袖とセットにして保管しておくことをお勧めします。小物も全体のコーディネートとして合わせられたもので、衣装の一部として欠かせない存在です。これらが一式きちんと揃っていると、着物としての価値が上がることに繋がります。

証紙や箱がある場合にはとっておく

「証紙」というのは、産地や織元を証明するものです。着物を仕立てた場合には、端切れのような状態になっていますが、それがその着物の価値を証明するものとなりますので、証紙がある場合には一緒に保管しておきましょう。証紙があることで、一目でその価値を示すものとして有効ですが、もし証紙が無い場合でも、着物買取店であれば、正しい着物の価値を判断する事が可能です。

また、着物や帯を反物で購入した場合、桐箱に保管されている、または帯揚げと帯締めのセットで箱に入っている場合があります。箱がある場合は、織元や産地などの情報が記されていることがありますので、箱も一緒に査定依頼することをお勧めします。

着物や帯は小さく畳まない

着物や帯は、洋服に比べると生地が長いので、小さく畳んでしまいたくなります。ご自宅の保管スペースにもよりますが、保管の際に小さく畳み過ぎてしまうと思わぬマイナス要素に繋がります。特に名古屋帯や袋帯でお太鼓系の結び方をする場合、お太鼓部分には畳みしわを出したくないものです。また、誰かにお譲りする場合や売却する場合にも、柄がある部分に畳みしわがあることはマイナス要素となってしまいます。

柄が全体ではなく、ポイントで入っている帯はその部分を見せる着方をしますので、柄の部分に畳みしわが来ないように保管することが大切です。動画や本などで、「帯のたたみ方」の情報は簡単に探すことが出来ますので、ご自宅にある帯が、適切に畳まれているかどうか今一度確認し、あらためて畳み直しを行うのがお勧めです。

まとめ

今回のコラムでは着物の整理、処分について様々なパターンをお伝えしました。
着物は普段着用する衣装とは少し異なり、取り扱いが難しい面もありますが、着物ならではの思い出が多くあると思います。
「売却に不安があったけれど、対応してくれたスタッフの方がとても親切にしてくれて安心して取引できた」「全て処分しようと思っていたけれど、一部だけリメイクして日頃から目に留まる形にして良かった」などのお声をいただいております。それぞれの状況により、選択肢は異なると思いますが、この記事を参考に、着物の整理・処分がスムーズに運べば幸いです。

おすすめコラム

最近のコラム

コラムをもっと見る
前の記事 次の記事