着物のコラム

久留米絣とは?その特徴や買取相場をご紹介

絣(かすり)の織物といえばまず「久留米絣」を思い浮かべる方も多いでしょう。美しい藍色染め、かすれたような味わいのある柄や見た目が特徴的な織物です。木綿が素材で肌触りが良く、着るほどに馴染み季節を問わず着られます。江戸時代中期に最も栄え、庶民の普段着として親しまれてきました。その技法は国指定の重要無形文化財にも指定され、今でも人気の織物です。

昭和、特に戦後普段着が洋装化してからは生産量が減っていきます。それゆえに、現代では伝統的な久留米絣は貴重な品となっています。今回は久留米絣の魅力と買取相場についてのお話をいたします。


目次
日本三大絣の1つ久留米絣とは?
久留米絣の特徴
久留米絣の買取相場
まとめ

日本三大絣の1つ久留米絣とは?

久留米絣とは、その名の通り現在の福岡県久留米市で生まれた織物です。「伊予絣」、「備後絣」とともに日本三大絣の1つです。

絣とは、織った時独特な柄の出る予め染め分けた糸で織る技法です。久留米絣の誕生は約200年前と歴史が古く、江戸時代中期にまで遡ります。この技法は久留米藩生まれの井上伝の偶然の発見によって生み出されました。きっかけは、所々白く色が抜けた紺無地の古着を目にしたこと。ここから、糸を染め分け藍色と白色のまだら模様を意図的に作る着想へと移りました。

また、久留米地方は昔から綿花栽培が盛んな土地でもあります。豊富な木綿糸と独自の技法が相まって生まれたのが「久留米絣」なのです。綿の織物はそれまで、普段着や農作業用として機能性重視で無地が主流でした。そこに、染め分けた綿糸を使うことでかすれたような優しい柄が生まれます。水玉や十字などシンプルな柄でも、当時の庶民には魅力的に映ったでしょう。

また、綿は湿度や摩擦などで収縮しやすい素材です。そのため絣糸で織られた柄は、使用とともに変化します。こうした部分が「味」となって、唯一無二の風合いを生み出しているのです。久留米絣はその美しさから高い評価を受け、全国的にも有名な織物になりました。手作業、天然藍で染めた糸を使い、手織り機で織られた絣は貴重で価値の高い「本場久留米絣」として区別されます。こうした伝統技法は国の重要無形文化財に指定され、今も受け継がれています。

久留米絣の特徴

久留米絣の特徴を大きく3つに分けてご紹介します。久留米絣が好まれる理由の1つは、着心地や手触りの良さです。久留米絣の素材は「木綿」です。木綿糸や麻糸は、非常に細いですが中は空洞(中空)状態になっています。この空洞は、暑い時には汗を吸収し、寒い時には空気を含んで保温します。季節に応じて人間の体温を調節してくれるため、いつでも快適に着られます。また、空洞があることによって弾力性やしなやかさも生まれます。綿という天然素材だからこそ、生み出せる着心地です。普段着に着られる着物として人気の理由もここにあります。かの大文豪、太宰治も久留米絣の着物を愛用していたと言われています。

2つ目の特徴は「藍色」の美しさです。藍染めは室町時代に中国から日本に伝わったとされています。1750年ごろには久留米でも藍染めが行われるようになりました。久留米絣は、今でも昔と変わらず藍染めの伝統的な手法が用いられています。天然藍を発酵させ、「かせ染め」と呼ばれる技法で染められます。糸本来の風合いを残しながらムラなく染めることができる伝統的な技法です。手間と時間をかけて作られる美しい藍染めも久留米絣の大きな特徴です。

3つ目の特徴は「絣」の趣のある柄にあります。「かすれ」「にじみ」などと表現される独特の風合いです。これも、柄を決め、それに合わせて染め分けた糸を使う繊細な技法ならではです。絣という名前の由来も「かすれて見える(加寿利)」という柄の印象からです。1度見れば分かりますが、一見すると柄の境目が曖昧に見えます。柄物の浴衣や振袖とは異なり、その独特な模様は素朴な印象を受けます。柔らかくどこか懐かしいその風合いが今、再び注目され人気を集めています。

久留米絣の買取相場

久留米絣は、一般的な木綿の織物と比べてやや高めの買取相場となっています。木綿の織物は丈夫で普段着として使えるため、ブランドや伝統工芸品でなければ数百円~高くて数千円程が相場ですが、久留米絣は状態の良いものであれば、9,000円~15,000円程が相場となっています。

久留米絣の中でも「本場久留米絣」は価値が高くなります。具体的には、重要無形文化財、伝統的工芸品に指定されているかどうかです。伝統的な手織り方法である手投杼や踏み木による飛杼などで織られていることがポイントです。藍染めも、染料が純正の天然藍であることなどが基準となります。お持ちの久留米絣が当てはまるか分からない場合は、証紙を確認します。証紙は購入時に付属しており、主に着物の布の切れ端に付けられます。久留米絣に関する証紙の種類は主に4種類あります。

1つ目は久留米絣協同組合の「久留米かすり」の文字が入った証紙です。この証紙には伝統的工芸品の手織り久留米絣と、機械織りの久留米絣の2種類があります。伝統的工芸品の証紙は薄い緑色の地をしており、機械織りはベージュの地です。見分けるときは文字の下の地の色を見ましょう。

2つ目は久留米絣技術保存会の「検査之証」の文字が入った証紙です。横長の楕円形で金色の地をしています。

3つ目は久留米絣技術保存会の「重要無形文化財」の文字が入った証紙です。こちらは赤字で横長の四角い形をしています。

4つ目は伝統工芸品産業振興協会の「伝統証紙」です。国の伝統工芸品を表す「伝統マーク」がついています。これらの証紙で重要無形文化財・伝統的工芸品であることが証明できます。

サイズやデザイン、状態によっては50,000円~100,000円の高値が付きます。作家で言えば「松枝玉記」「森山虎雄」の作品は今でもファンが多いです。松枝玉記(まつえだたまき)は久留米絣の特に藍染めを専門とした作家です。大柄で絵画的な叙情に溢れる文様と淡い藍色の階調を生かした柄が特徴です。

森山虎雄(もりやまとらお)は久留米絣の重要無形文化財保持者です。高度な小柄の技術を継承し、独自の美しい幾何学模様で有名です。こうした有名作家の作品は、300,000円以上の値が付く可能性もあります。一般的な項目で言えば、柄が派手すぎず久留米絣の特徴を生かしたものや、サイズが小さすぎず汎用性の高いものは高値が付きやすくなっております。

まとめ

絣織物の元祖とも言える久留米絣は、古くから庶民に親しまれてきました。手織りや藍染めに熟練の技が必要とされ、今では貴重な織物となっています。素朴で柔らかな柄や風合いが、レトロブームの昨今で人気が高まっています。今は着ていない着物でも、思いがけない高値が付く可能性もあります。

買取査定をお考えの際は、お気軽にザ・ゴールドにお問い合わせください。お近くの店舗または、フリーダイヤルにてご相談を承っております。

最近のコラム

コラムをもっと見る