着物のコラム

日本三大紬一つと言われる牛首紬の特徴と買取相場

牛首紬(うしくびつむぎ)は、日本三大紬の一つとして知られており、着物の愛好家の中でも、特に紬好きの方に人気の高い着物です。現在では、牛首紬が生産されている工房の数が少ないこともあり、その希少価値は年々高くなっており、中古市場でも高値が付けられることがあります。

この記事では、牛首紬の特徴や歴史、買取相場などをご紹介します。ご自宅に着用していない牛首紬の着物をお持ちで、買取を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。

目次
牛首紬の特徴や歴史
牛首紬と白山袖の違い
牛首紬は三大紬の一つ?
牛首紬の買取相場
まとめ

牛首紬の特徴や歴史

制作工程から見る牛首紬の特徴

牛首紬は石川県白山市白峰で生産される紬織物で、元々は1159年の平治の乱に破れた源氏の落人が白山の麓にある牛首村に流れてきたことがきっかけとされています。その落人の妻が機織りに優れており、そこに住む村人にその技術を伝えたことがきっかけと言われています。

その後、江戸時代に入り、幕府の保護と経済の発展に伴い、その技術は全国に広まりました。牛首紬の製法は、稀少性が高い双子の蚕から作った玉繭から、手作業で糸を引き出すという高度な技術を要する点が特徴です。また、染めにおいても先染めと後染めの2種類で作られている点も牛首紬の特徴です。紬織のほとんどは先染めで作られているため、白生地として織られたものに後から染色を施すことがある牛首紬は汎用性が高く、さらに人気を高める理由となっています。

無形文化財に指定された牛首紬の魅力

牛首紬は、1079年に石川県の無形文化財に指定されました。その他にも伝統的工芸品、地域団体商標、石川県牛首生産振興協同組合の合計4つもの認定を受けています。牛首紬の生地は、「のべ引き」と言われる手作業で糸が引かれており、繭を煮ながら糸を引き出していく伝統的技法で作られています。

更に、糸が引かれた後は「糸はたき」と呼ばれる空気を含ませる作業が加わり、これによって強度を保ちながらも、しっとりした糸を仕上げることができます。このように丹精込めて作られた牛首紬は多くの人を魅了し、その価値も高く認められています。

牛首紬と白山袖の違い

牛首紬と似た紬に白山紬という種類があります。白山紬も牛首紬と同じく白峰町が発祥で、牛首紬との違いは機械織りであるという点です。牛首紬は少し厚めのしっかりした生地ながら、しっとりと柔らかな感触があるのに対し、白山紬は薄手の生地で硬さが感じられるのが特徴です。

この違いは、着物の専門家であれば生地を触っただけで判断できるほど異なりますが、一般の人では見た目や感触などで判断がつかない場合もあります。その際には、付属の証紙が必要になります。また、牛首紬の場合は落款が押されていることがあるため、この落款の有無でも、確認することができます。

証紙を紛失してしまい、ご自身では種類がわからないという場合には、着物の買取専門店にお持ちいただくことで、着物の状態も含めた価値を確認することができるのでお勧めです。

牛首紬は三大紬の一つ?

日本三大紬と言えば、大島紬(おおしまつむぎ)、結城紬(ゆうきつむぎ)、そして牛首紬を挙げる方が多く、その中でも大島紬と結城紬は二大紬としてゆるぎない地位を確立しています。

大島紬は、鹿児島県奄美大島を発祥とする絹織物で、生糸を使用したしなやかな生地感は見た目も着心地も優れており、国内だけでなく海外にも愛好者がいます。

そして大島紬と並んで人気が高い結城紬は、歴史ある高級絹織物として知られており、奈良時代より茨城県結城市を中心に発展してきました。国の重要無形文化財、そしてユネスコ無形文化遺産にも指定されていることから知名度も高く、今でも多くの人々に愛されています。

これら2種類の紬に加えて、第三の紬として挙げられるのが牛首紬ですが、牛首紬以外にも人気の紬が数多く存在しているため、上田紬や塩沢紬など、別の紬が第三の紬として挙げられることもあります。

結城紬、大島紬と比較すると語られることが少ない牛首紬ですが、逆に着物に精通した方の心を掴む貴重な紬であるとも言えます。

牛首紬の買取相場

牛首紬の買取相場は保存状態や柄やサイズなどによって異なりますので、着物の買取専門店に査定依頼することをお勧めしますが、目安としては、数千円~数万円程度で流通しています。
着物の状態が良く、希少価値が高い品物は十万円をこえる価値がつくこともあります。伝統工芸品のため、どこで作られたのか、どのような品質なのかなどの詳細を証明できる「証紙」が保存されている場合は、さらに値段が高くなることがあります。

しかし、前述の通り、牛首紬は、証紙がなくても落款が押されていることがあるため、この落款が確認できる場合は証紙がある場合と変わらない価値が付くこともあります。ただし、希少価値が高い着物だけに、本物に似せた着物が数多く生産されており、牛首紬風の着物も多数あります。そして、本物の牛首紬との見分けが付きづらい似た紬が流通しているのも事実です。

そのため、牛首紬の査定では、本物の牛首紬を数多く取り扱っている着物の買取専門店に査定依頼をすることをお勧めします。ほとんどのリサイクルショップや質屋、インターネットのみで展開している無店舗型の買取サービスなどでは、見分けがつかない場合が多く、その価値が認められないこともありますので、注意が必要です。

まとめ

牛首紬は日本三大紬の1つに加えられることもある日本の伝統を誇る絹織物の1つです。大島紬、結城紬などの紬織に比べると知名度は劣ってしまいますが、着物愛好家の中では人気の高い紬です。ご自宅に着ていない牛首紬を保管されている方は、ぜひ、一度査定依頼をしてみることをお勧めします。思わぬ価値が付くこともありますので、まずは着物の買取専門店に相談してみてください。

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